滋賀の国宝建築を巡る その2:大笹原神社
苗村神社を後にして、向かったのは
野洲市にある大笹原神社。
いつも近江八幡や彦根に向かう際に「国宝社殿」の文字が気になりながらも
一度も足を運んだことのない神社でした。
寛和2(986)年に越知諸実が社領を寄進し、社殿も造営。
そして応永21(1414)年に岩倉城主馬淵定信が再建したのが現在の社殿であると言われています。
須佐之男命(スサノオノミコト)とその妻・櫛稲田姫命(クシナダノヒメ)のほか、
五神が祀られており、厄除けの霊験で知られています。
国道8号線から少し山側に車を走らせると到着。
その途中には某ラーメン店の社長のご自宅(大豪邸!)が見えました。
森の中にある社殿はとても静かで、私たち以外誰もいません。
鳥居の向こうには寄倍の池と呼ばれる沼があり、
その昔水不足から御輿を二基沈めて祈願したところ、
どれだけ日照りが続いても枯れることがなく、
水を満たし続けていると云われているそうです。
そして、拝殿の奥には国宝・大笹原神社本殿
三間社入母屋造・檜皮葺の本殿。
決して大きな社殿ではなく、パっと見ただけでは
「これが・・国宝?」なんて感じてしまうのですが、
よくよく見ると細部に施された彫刻までが見事で、
東山文化の粋が集約されています。
そして、本殿の左側には重要文化財・篠原神社本殿
春日造の社殿が美しいこちらは別名「餅の宮」。
このあたりでは良質のもち米が穫れ、
鏡餅の発祥の地とも言われているそうです。
そして鏡餅の元祖を祀ったのがこの篠原神社。
大通りからも離れ、ひっそりと佇む静かなお社ですが、
遠い昔からこの地を見守ってきた神様を身近に感じることが出来る
なかなか素敵な神社でした。
■大笹原神社
滋賀県野洲市大篠原2375
アクセス:JR琵琶湖線「野洲駅」下車 バス 10 分 大篠原下車
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