円通寺の借景で心落ち着く

先日、岩倉幡枝の円通寺へ行ってきました。
後水尾天皇の山荘であった幡枝御殿の跡に建つ臨済宗の禅寺です。


円通寺の門


こちらで有名なのは後水尾天皇が自らが配されたという
大小40余りの庭石が美しい枯山水庭園。


枯山水庭園というだけなら京都のいろんなお寺にありますが、
こちらの一番の特徴は比叡山を「借景」とした見事な眺め。


円通寺庭園


生垣の向こうに見えるのが比叡山です。
後水尾天皇が京都で一番比叡山が美しく観ることができる場所を求め
この幡枝にたどり着いたとのこと。


季節によって移り変わる目の前の美しい光景に、
何度も、何度もこのお寺に通われる方も多いとか。


この光景を守るためには、京都に高層の建物など要らぬ!
と住職も長い間京都市と交渉され、眺望条例の制定に至ったそうです。
一時はこの借景の中に大きなマンションがいくつも出来てしまう、
そんな危機があったとのこと。


そんなことで、何百年と愛されてきたこの眺めを壊されてるようでは
京都市も“世界の観光都市”だなんて言ってられなくなりますよね。
住職も仰っていましたが、そのあたり、
ヨーロッパの歴史ある観光都市を見習わなきゃいけませんよね。


お寺を後にしようとした時、なぜか住職に呼び止められ、
上述の環境の話から、なぜカメラの持込を許可したのか、
(数年前まで、こちらでは撮影厳禁でした)
さらには私の仕事のやり方まで、いろんなお話を伺うことができ、
とても勉強になりました!貴重な時間だったなぁ。


決してメジャーではないこのお寺。
ふだんもそんなに人が多いわけではありません。


何かに疲れたときにふらっと立ち寄り、
ここからの比叡山をぼ〜〜〜〜っと眺めるだけで
心癒されると思います。おすすめですよ。


住所 京都市左京区岩倉幡枝町389
電話番号 075-781-1875
アクセス 市バス「円通寺道」下車徒歩10分

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