島原の“泊まれない”「きんせ旅館」のカフェバーへ。


先日、「京都SWITCH」を運営されているcasekさんから
『島原のきんせさんがカフェバーとして復活されている!』
との情報を聞きた私。
もちろんいてもたってもいられなくなり、
“ぜひ行ってみたい!”と、
「花街ミーティング」というテーマの飲み会を開催してきました^^


夜19時過ぎの島原はとても静か・・・
かつては京都、いや日本を代表する花街として栄えた街としては
少し寂しい気もしますがそれもまた時の流れ。


そんな静かな街の真ん中に「きんせ」さんはあります。
(住所はその名も「西新屋敷太夫町」)


格子玄関の向こうに見えるは

ステンドグラスですね。


玄関に入るとそのステンドグラスがお出迎え。


そこに足を踏み入れた瞬間に、空気が変わります。
タイムスリップでもした感じ?
奥から着物の女性が出てきてもおかしくない雰囲気。


それもそのはず、こちらは築200年を超える建物。
ここ、きんせが生家という安達さんが、長らく休業していた旅館を
リノベーションされたのです。


橋本五条楽園でも美しいステンドグラスを見ましたが、
こちらにも至るところにその意匠が残ります。


見とれてしまいますね。


そして玄関はタイル細工。

このタイルは昔から残っているのかな?
と思いましたが、今回新たに張替えられたそうです。


■このリノベーションをされた建築士事務所さんのブログに当時の情報が!


そしていよいよ中へ入ると・・・


折り上げ天井が美しい、広いお部屋!

その昔はこちらをダンスホールとして使われていたそうです。
ヤバイ、ヤバイです・・・この感じ。


アサヒビールの鏡が

部屋全体を妖しく映し出します。
スタンドもめっちゃカッコイイ。


そして隣の部屋がバーカウンターになっています。

私の好きなタイのシンハービール
入店早々興奮状態の私でしたが、
casekさんとまずは乾杯。
落ち着いて飲もうかと思いましたが、後ろを振り返ると。


この部屋もやっぱりすごい!落ち着いてられない!

この掛け軸、、、よく見てみると、、、


載仁親王って!

閑院宮載仁親王直筆なのでしょうか?
安達さんに伺うと「昔からあったようです」とのこと。
戦時中はここの二階で軍人さんたちの密談も行われていたとの話もあり、
お酒に酔わずともテンション上がりまくります。
島原、、やっぱりすごい街です。


少し落ち着こうとトイレに行くと・・・

いや〜ん、トイレまで素敵!
思わず写真に収めちゃいましたよ。


と、どうにも興奮が収まらない私たちを見て、
安達さんから「少し、二階もご覧になられますか?」とのお話が!
ぜひぜひぜひぜひ!!!


とさっそく二階へ・・・


今は英会話教室をされているという部屋には


こんな襖が!

ええ〜!角屋で見た襖みたいなんですけど!(確かに傷みは激しいですが)
きんせさんはもともとは揚屋だったとのことですので、
まさにここは遊興のお部屋だったのでしょうか。


ここに太夫がやってきて。。。
といろんな想像が膨らみます。


そして「VIPルーム」のようなお部屋にも入らせていただきました。

中には大正時代のラジオやら、百科事典やらが・・・


そして二体の鍾馗さんも。

軒先にいらっしゃった鍾馗さんも台風などで落ちてしまい、
その際にこちらに隠居。
現在の鍾馗さんは三代目のようです^^


う〜ん、揚屋建築フルコース。
これは本当に大興奮でした。
さらに、こちらで英会話の講師をされているアラン先生。
彼も花街・遊廓文化に造詣が深く、
随分話が盛り上がりました。
これはしょっちゅう通うことになりそうです^^


当時の趣を残す建物がどんどん姿を消してしまう中、
こうやって島原を盛り上げていこうとする動きは
本当に嬉しい限りです。
正直、このきんせさんも、いつ取り壊されてしまうんやろう。。。
と不安でしたので、この復活は万々歳。


建物が残っただけではなく、花街文化の素晴らしさを共有できる人たちがいるって
本当に嬉しいこことですね。


■泊まれない。きんせ旅館
京都市下京区西新屋敷太夫町80
075-351-4781
http://www.kinse-kyoto.com/

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